信号のない交差点での出会い頭の事故の過失割合について

交通事故の相談の中で、信号のない交差点での出会い頭の事故の過失割合についてご相談いただくことも多いです。
そこで、今回は、信号のない交差点での出会い頭の事故の過失割合についてお話ししたいと思います。

交通事故の過失割合については、裁判例の集積が多くされており、別冊判例タイムズ38に過失割合についてのその考え方が記載されています。
たとえば、センターラインのある優先道路(交差点内にもセンターラインが入っている道路)を直進していた自動車Aと脇道から出てきた直進自動車Bが衝突した場合の基本的過失割合はA10対B90です(105図)。
また、一時停止規制のない道路を直進していた自動車Aと一時停止規制のある道路を直進していた自動車Bが衝突した場合の基本的過失割合はA20対B80です(104図)。
その他、優先道路や一時停止規制もなく、道路の幅員も同程度の十字路の交差点の場合の基本的過失割合は、左方車A40対右方車B60になります(101図)。

過失割合を認定するためには上記基本的過失割合から修正要素があるかを吟味し、なければ基本的過失割合で過失割合を認定することになります。
たとえば、一時停止規制のない道路を直進していた自動車Aと一時停止規制のある道路を直進していた自動車Bが衝突した場合の基本的過失割合はA20対B80ですが、Bが一時停止をしたうえで左右の安全確認を行いAの接近を認めたものの、その速度と距離の判断を誤って交差点に進入した場合には、修正要素にあたるため、その他の修正要素がない限り、過失割合はA40対B60になります。
修正要素は事故状況によって異なりますが、その内、著しい過失や重過失などが修正要素となっていることも多く、何が修正要素にあたるかは事案によって様々です。

過失割合については、基本的過失割合を知るだけでなく、修正要素が何かを知ることも大切ですので、お悩みの方は一度交通事故に詳しい弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

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