共同不法行為事案について

私の在籍している弁護士法人心東京駅法律事務所でのご相談の中で,別の方が運転していた車に乗っていたが,ご自身が乗車している車とは別の車と衝突して負傷し,かつ,別の車の運転者とご自身の乗車していた車の運転者双方に過失があるケースが一定数ございます。
たとえば,信号のない交差点でA車に同乗していたが,A車の運転者Aは左右の安全確認を行わず交差点内に進入し,一方で,B車の運転者Bも同じく安全確認を行わず交差点内に進入し,A車とB車が衝突して,A車の助手席に乗車していた友人Cが負傷したというケースです。
この場合には,基本的に,A・B双方に過失が生じます。
CはAに対しても,Bに対しても,不法行為に基づく損害賠償請求を行うことができます。
そして,1つの事故から損害が生じていることから,損害の全額をA・B双方に請求することができます(二重取りはできません。)。
これを,共同不法行為といいます。

共同不法行為事案の特徴としては,CがAにもBにも全額の損害賠償を請求することができる点にあります。
また,基本的には,A車・B車両方の自賠責保険を使うことができる点で,最大240万円の上限(傷害分合計)で,自賠責保険金を受け取れることになります。
2つの自賠責保険が使えることから,保険会社が早期に一括対応を打ち切った場合であっても,被害者請求を用いて対応することが有効です。
このように,共同不法行為事案特有の対応方法がありますので,共同不法行為事案でお悩みの方は,一度弁護士に相談するのも良いかもしれません。