尋問について

訴訟(裁判)を続けていると、当事者尋問や証人尋問に至ることがあります。
尋問は、裁判所において、当事者や証人からお話を聞く手続ですが、実際の尋問期日になると、思った以上に緊張される方が多いです。
そこで、今回は、尋問の準備や持ち物などについてお話ししたいと思います。

まず、尋問の準備についてですが、聞かれることについて思い出しておくことが大切です。
尋問前には陳述書を出されていることが一般的ですので、その陳述書に記載されていることや関連事項は聞かれる可能性が高い事項になります。
そのため、裁判の争点、陳述書で記載した事項に関連する事情については、事前に、しっかりと思い出しておくほうがスムーズに尋問が進む可能性が高いです。
その他、主尋問(尋問を申請した側から尋問する手続)→反対尋問(相手方からの尋問)→再主尋問、という順番で進んでいくことをイメージしておくと、心の準備ができやすくなります。

また、尋問の注意点を押さえておくことも大切です。
たとえば、裁判所は尋問を録音していますので、裁判所から前を向いて話すことを求められます。
代理人弁護士は当事者または証人からすると、左右に座っていますので、横から質問がされ、前を向いて答える形になるため、思いの外難しいです。
また、裁判所からは、質問と答えが重ならないように話すことを求められます。
裁判所は録音していますので、質問と答えが重なってしまい、質問や答えの内容が分からなくなってしまうことを防止する目的です。
緊張してしまうことも相まって、ついつい早く答えようと思うあまり、質問が言い終わらないうちに、回答してしまうことがあるため、注意が必要です。
また、裁判所からは、可能な限り一問一答方式で答えるよう求められることがあります。
そのため、質問に対する答えは、短く、要点を意識して回答するとスムーズで良いです。

尋問の持ち物としては、印鑑と念のため身分証を準備すると良いです。
服装については、特に指定はありませんが、きっちりした服装が無難です。

尋問については様々な注意点がありますので、弁護士としっかり打ち合わせしておくことが大切です。

令和6年能登半島地震について

令和6年の元日に石川県を中心に襲った地震(令和6年能登半島地震)で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

私の出身は石川県の宝達志水町ですが、宝達志水町では、倒壊してしまった家屋もありました。
不幸中の幸いではありますが、私の実家は倒壊を免れましたが、大津波警報による避難を余儀なくされ、断水も発生しました。
現在では、実家は断水も解消され、物流も少しずつ戻ってきたため、少し安心できる状況にはなりましたが、依然として、珠洲市や輪島市、中能登町などは道路状況が悪く、物流が滞っていることが特に深刻です。
被災後、私にできることは何かを考え続け、とにかく家族の助けになるよう、倒れた家具の片付けや掃除などを行い、水や食糧の確保もしましたが、改めて、自然の前での人間の無力さを痛感しました。

能登は、昔、祖父と釣りに行った思い出の場所です。
よく、宝達志水町ってどのあたりなんですか?と聞かれると、石川県のどちらかというと北側で能登が近いです、と答えてました。
その能登に住む人々が、日々、とてつもなく辛い思いをされていることを考えると胸が張り裂けそうです。
以前、東日本大震災が起こった後、福島の原発事故の関係で仮設住宅に避難されていた方々のためのボランティアに参加させていただいたことがあります。
その際、皆さん、心にぽっかり穴が空いているような、そんな風に感じたことがありました。
その方々の気持ちがより分かるようになった気がします。

一通り実家が安心できる状況になったため、今、私にできることは、ご依頼いただいている依頼者の方や相談者の方に、今までと変わらず、弁護士としてしっかり対応することだと思い、東京に戻ってきました。
このような状況下で、実家から離れて東京で仕事をするのは心苦しい気持ちもありますが、今できることを最大限取り組んでいきたいと思います。
今年も初心を忘れず、依頼者の方々、相談者の方々のために全力を尽くして参ります。
本年も何卒よろしくお願いいたします。