交通事故のご相談の中で、過失割合に関するご相談も多数あります。
過失割合については、別冊判例タイムズ38に記載されている類型の事故については、別冊判例タイムズ記載の基本的過失割合を基準としつつ、修正要素があれば修正していく方法で、裁判所も過失割合を判断していることが一般的ですが、今回、別冊判例タイムズ38が改訂され、基本的過失割合が変更されたものがあります。
そこで、今回は、基本的過失割合が変更された、道路外進入車と直進車の過失割合についてお話ししたいと思います。
まず、別冊判例タイムズ38では、道路外から道路に進入する車両と直進車との事故について、基本的過失割合を直進車20対道路外進入車80%としていました。
もっとも、交差点において非優先道路から優先道路に右左折で進入する場合の基本的過失割合は、直進車10対右左折車90とされており、非優先道路からの右左折車に対する直進車の優先性と路外進入車に対する直進車の優先性を比べた場合に、路外進入車に対する優先性が劣るとは考えられないとの理由で、別冊判例タイムズ39においては、基本的過失割合を直進車10対道路外進入車90に修正されました。
この10%の変更はとても大きな影響があり、後遺障害が認定されているような賠償金が大きくなりやすい類型で考えると、たとえば、治療費、通院交通費、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益の損害額合計で1000万円の場合には、100万円もの賠償金の差が生じることになります。
もちろん損害額合計が1億円であれば1000万円もの賠償金の差が生じることになります。
このように、今回の別冊判例タイムズ38の改訂は実務に大きな影響を与えると思います。
なお、以前もブログで過失割合に関して述べた際にもお話しましたが、別冊判例タイムズ38に記載されているような基本的過失割合は、あくまで、予見義務が生じ、かつ、結果回避可能性があることを前提として定めているため、前提の予見義務が無い、または、予見義務が生じた時期(具体的予見可能性が生じた時期)を基準として結果回避可能性が無いのであれば、過失は生じないことになりますので、そのことが証明できる場合には違う切り口で進めていくことが必要になります。
このように、過失割合については、様々、考慮すべき事柄がありますので、お悩みの方は、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。